佐々木千穂さんはインフィールドデザイン代表の方で、分かりやすく観察手法について講義してくださいました。
以前IDEOで深沢直人さんと一緒に働いていたそうで、貴重なIDEOの事例も話していただきました。
キーワードは:望ましい経験とは何か、ということです。
物作りは機能ありきではうまくいかないのだそうです。それではユーザーと今ひとつ結びつかないそうです。なので、人の経験からデザインしていくのだそうです。
人の経験からデザインしてみるには頭で考えているだけではだめなのだそうです。その良い例が次の写真で、人間がかわいい、と思う条件を全て満たしたら以下のようになったそうです。
かわいい、という価値観は人それぞれですけど、これは斬新すぎるでしょう、と思いました。
また、その経験を自信の体験を持って知るために「パット・ムーア」という女性は実は26歳なのに3年間85歳として過ごしたのだそうです。
これは、自分ではない誰かに注目して共感するためなのだそうです。
円グラフの一番大きい部分の『傾向』ではなく、『共感』が重要なのだそうです。
その共感のための手法が『オブザベーション(観察)』なのだそうです。
オブザベーションで探すのは
・意図どおりでない使い方()
・手順や順応
・その人にとって何が重要か大切かを示すもの
(例:人口透析をしている人のチューブがリビングまで届かなくて、家族団らんに入れない)
・興味深い矛盾
(例:羞恥心をなくしたはずのアルツハイマーのおじいさんがオムツを隠したこと)
・正しい使い方をしない理由
(例:電球を外す→まぶしいから:人に共感するためのヒント)
・物から分析
(例:ホコリがたまっている:使われていない)
オブザベーションの手法にはみる、試す、頼むの3つの方法がある。
今までは見る、の方法しか知らなかったので新鮮でした。
■みる
・fly on the wall
・シャドウィング
■試す
・ロールプレイング
・行動サンプリング
■頼む
・インタビュー
・デモンストレーション
・考えを声に出す
・ガイドツアーなど
集めた素材をどう活かすのかが重要。
・人の行為から直接連想
最後にIDEOの事例を見せてもらいました。
これは、病院にとって患者にとってのぞましい経験を提案した例だそうです。
提案者側は、病院側にずっと白くて動かない壁を見せ続けたそうです。
で、病院側がイライラしたところで種明かし。
「これはあなた方の患者がずっと見ている天井ですよ」と。
そこで提案されたのはホワイトボードの壁や、柄のついた天井だったそうです。
すごい笑顔になっちゃうようなアイディアだと思いました。
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