2010年5月12日水曜日

展示会、デザインイノベーション論、特別講義

フセイン・チャラヤン
に行ってきました!横溝先生の授業で参考にするといいということで^^

で、行ってきたんですが、すごいコンセプチュアルで、難しかったです。

デザインというよりもアートな感じ。

↓ ↓ ↓
展示会の様子

全ての服に意味があり、何らかのメッセージがありました。
そのメッセージを全て理解できたか、といえば謎なのですが。。。

そのメッセージの多くは、彼自身が辿ってきた経験に基づいていて、ほとんどが問題提起でした。

彼は幼い頃に紛争の経験をしていたり、両親の離婚を経験していて、特に国家や移民、移動ということが彼の中で大きなキーワードのようでした。

そういうことを考えながら服を見ていると、これは着るための服なのか、自分のメッセージを発信するための媒体なのか、その中間なんだろうか、という感じでした。

ということは、この服を購入した人はその問題に対して同意、というか、署名運動で署名をしたような、自分の意志もそうだ、と周囲に言っていることになるのかな??

と深読みな私は考えました。

もしかしたら、ファッションのコレクション(パリコレみたいなの)は通常コンセプチュアルで普段着じゃないのかもしれませんが。

エアメールドレスって言うのがあって(一枚に折り畳んで最後は封筒になるというもの)、これは前に黒川さんの授業で見せてもらったイッセイ・ミヤケの切ったらもう服(1枚布でできてる?(ウィキペで調べたら世界服というらしい。西洋でも東洋でもない))っていうのに似てるなあと思った。

これにはキャプションがなくて、どういうコンセプトで、意図で作ったのかよくわからないけど流れで考えると、紛争などで困ってる人に服を送るのかなあ?と想像しました。

そんな感じで、紛争にあったときに、家財道具を持ち出せる家具(服?)のコレクション「アフターワーズ」というコレクションがありました。これは彼の代表作品だそうです。
難民の苦境、そして戦時中に突然去らなければならない恐怖から着想を得たそうです。


テーブルがスカートになり、いすのカバーが服になり、いすはトランクケースになるというもの。モデルさんはみんな顔にフィルムを貼っていて反射で涙みたいに見えました。

今、イッセイミヤケのことをウィキペで調べたら、彼も幼い頃に原爆にあっていて、『「破壊されてしまうものではなく、創造的で、美しさや喜びをもたらすもの」を考え続けた末、衣服デザインを志向するようになった』らしい。

イッセイミヤケは服で人をハッピーにしたいと考え、チャラヤンは問題提起をしたいと考えたのかなあ??
でもサイトを見てみると、服はキレイだからそれだけじゃないのかもしれないけど。

デザインイノベーション論

そして山崎先生のデザインイノベーション論。
今日の話題は主にパーソナルブランドについてと、カスティリオーニのデザインについて。

パーソナルブランドについては前回の授業でも話題に出ましたが、今回はそれがどんな要素で出来上がっているかについてでした。1つめはこれまでの経験、2つめはこれからありたい経験、でその2つをmixしてパーソナルブランドは出来上がるそうです。

それは自分のオリジナリティーであり、アピールする部分だそうです。
例えば、山崎先生は『情報デザイン』も『プロダクトデザイン』もできて、そのようなデザイナーは珍しく、重要なアイデンティティーになるそうです。更に、外資系の会社に勤めていたことで英語も話せて、このようなデザイナーは本当に少数だそうです。

そこで、そのパーソナルブランド、オリジナリティーを用いて最終的にデザイン提案をするそうです。
その流れは
①これまでのデザインアプローチを調べる

②そのアプローチの中から問題を見つけ出す
(今までのアプローチで何が欠けているのか)

③デザインアプローチを提案
(パーソナルなものor普遍的なもの)

中間発表

④企業を選んで、どの分野のデザインで提案を行うのか決定

⑤具体的なデザイン提案

最終プレゼン

なぜ、このような授業を山崎先生がしているかというと、
デザイナーは企業や事務所の中では、その方針に従って提案を行うことができるが、独立すると自分のやり方がわからない、という人が多いのだそうです。
そこで学生のうちに自分のやり方を1つ見つけておくためにこの授業をやろうと思ったのでそうです。


カスティリオーニの話では、彼はポリシーを3つ持っていて
1、Redesign(既存の製品に手を加える)

2、Ready Made Design(既存の製品の部分を流用する)

3、Metaphor(楽しさを加える)

これはつまり彼のブランドアイデンティティーであり、オリジナリティーなのだろうと思います。1、2だけでは楽しくないので3で、既存のものの楽しさのエキスを活用したそうです。

彼は楽しいもの、びっくりするもののデザインをしようと考えていたそうで、キャビネットにはおもちゃが詰まっていて、そこからヒントを得ることもあったそうです。

モダンデザインの走りであるカスティリオーニのスイッチのデザインはもう誰が作ったかわからないものだけれど、そのデザインはよく見ると細かいところにこだわっていて、良いデザインでありiPhoneにも模倣されているということでした。
特にこだわったのはスイッチをon offするときの音だそうです。

お茶目なおじさんだったんだなあ、という感じ。実際にそうだったそうです。
イタリアで事務所のツアーに参加したとき、マルボロの箱のロボットがあったり、天井からおもちゃが吊ってあったりして楽しい、明るい感じの事務所でした。

授業でも出ましたが、スケッチやガラスの写真のネガがラベリングしてとっておいてあるのは、彼の整理好きだということの現れだと思います。
そして、自分の作品を愛してたんだなあ、素材とか大好きだったんだろうなあ、という感じでした。

これはスヌーピーの鼻をイメージして作られた証明なのだそうだけど、これはかわいいですね!いつかこんな証明が似合う家に住んでみたいものっす。

特別講義

今日は盛りだくさんで特別講義もありました!!講師は今月のAXISの表紙!廣村正彰さんでした!
ダンディー!そして優しい、先生の言葉を借りると職人気質な方でした。
後の懇親会でもたくさんの質問に答えていただきました。それは後ほど…。

授業では「伝わるデザイン」をテーマに講義してくださいました。
officeは青山の骨董通りにあるそうです。zibaのご近所なんですね。

廣村さんはコミュニケーションデザイナーなのだそうです。

講義の内容は、デザインは「伝える」ことから「伝わる」ことに変わるそうです。
世の中には情報がたくさん溢れていて、個々人によって必要な情報と不必要な情報があるそうです。人はその中から情報を選び出します。

各人にどのように必要な情報を伝えるのか、ということが問題で、今まではただ強く主張すればよかったものが、それでは伝わらないそうです。伝えるためには、共感を得ることが大切で、広告するものの差別化が必要なのだそうです。

いままでは「伝える」ことばかり考えていましたが、これからは、どのように「伝わる」かを考えなくてはいけない。
→意識の発火点(共感を得るポイント)をつくる。

情報が個人にたどり着くまでの道のりを登山に例えると、目的地までいくには、直線的なルートで行くのが1番早いが、それ以外にも様々な道筋があり、それぞれの伝える方法が見えてくる、ということでした。

最近ではシンプルも「ポストシンプル・単純」の位置に変化し、単純・シンプルなものでも「微妙な質感」があり、それをどう伝えるのかがポイント、だそうです。

また、出版した「字本」についても話してくださいました。

言葉には様々な種類があり、メイクやファッション、髪型も言葉になるのだそうです。
新しい言葉を作りたいと考えている、ということを話されていました。

そこで私はグラスの言葉ってのもありじゃないかなあ、と思いました。
一緒のタイミングでグラスに口をつけたら好意がある、グラスを自分のグラスから遠ざけられたら嫌われている…って、知ってるのは2つしかありませんでした。。。


とかいろいろ話してくださいましたが、特に面白かったのは、学生が矢印のついた帽子をかぶって団体で歩いているのを上空撮影した映像でした。

休憩時間が特に面白くて、矢印が集まって回り始めたりしてました。

で、懇親会です。
私はイタリアから帰ってきてから悩みがありました。
それは「デザインとはなにか」「なんのためにデザインがあるのか」という何とも漠然としたものなのですが。

で、頃合いをはかって廣村さんに尋ねました。
回答は
「仕事ですね」
ということでした。
デザインは人生ではなく、仕事であるのだそうです。
何のためのデザインか、という質問に対しては、分からないが、もしデザインがなくても違う形であり続けるだろう、ということでした。

例えば、宮廷にお抱えの画家がいたように、そんな形でデザインは必要なのだ、ということでした。

廣村さんは最初、田中一光の事務所にいたそうです。そこで
「君は才能がないから10年ここで仕事しなさい」
のようなことを言われたそうです。(こんなこと書くのも恐れ多いのですが)
そこで、廣村さんは10年修行して、今の事務所を作ったそうです。

(田中一光はまえにzibaで名前が出ていたので知っていましたが、今の廣村さんとはちょっと違う感じでした。)

先生が言うには廣村さんはどちらかというと職人で、クライアントの問に対していつでもヒットで返すそうです。

素人であれば急にホームランをまぐれでうつことも可能なのですが、ヒットを打ち続けることは難しいのだそうです。
そして、最終的には美しいものが勝ち、その美しいものを作り出す技術は練習をすることで身に付くのだそうです。

そして、デザインにはいつでもゴールがあり、その際に「ほめられる」、「商品が売れる」などの結果が出れば正解だった、ということになるそうです。

廣村さんは学生時代、スイスモダンや横尾忠則(←こちらはうろ覚え)に影響を受けたそうです。もし、うちが聞いた答えが横尾忠則だったらかなりサイケな感じなのでちょっと違ったかな?という感じ。

とか、うちの漠然とした質問に親切に答えていただいて良かったです。
ちょっと頭でっかちに考えすぎていたかなあ、と思いました。

デザインは楽しいとおっしゃっていました。それでいいのかな、と思いました。隣に座っていた三丸くんも自分が楽しければ周りも楽しいからそれでいいんじゃん、と言っていました。

とりあえず「世界を変えるデザイン展」に行ってきたいと思います!!
世界を変える心意気で。



ところで明日はBAWDIESのライブ!!!早いもんですなあ。
この調子じゃ6月のちゃんひげのライブもあっちゅーまなんだろうなあ。

と、明日はゼミです…。この辺で修士論文のテーマを考えることにします。。。

激長ブログ!!!笑

3 件のコメント:

  1. こやちゃんのブログ、勉強になるなー!笑
    読み返そう!
    フセイン・チャラヤン展は気になってて行きたかったの!
    これは行くべきだね!
    今やっているワークショップで衣装を作るから参考にと。。。
    今の時期は何か楽しい展示いっぱいな感じで良いよねー!わくわく

    廣村さんは本当素敵な方だったなぁ。
    物腰が柔らかい話し方の人って良いよね!!
    特別講義、お邪魔しました!!!

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  2. テーブルがスカートになるやつ面白いね!最近のヒットだわこりゃ。
    おれもそういう展示とか講義とか羨ましくなってしまったよ。

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  3. すずさん:
    こんな激長ブログを読んでくださるとは!!ありがとうございます!恐縮すぎます 笑

    最近は修士がよくわからん感じなので、こんな風にインプットばっかりなのです。

    すずさんが廣村さんに質問してたのを聞いてやっぱり違うなあ、と思いました!ハッとしました!

    五代さん:
    これを使えばスカート以外にも何かできそうですよね!日本の情報を発信し続けますよー!

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