2010年5月25日火曜日

特別講義:中川さん

そして、デザインイノベーション論の後の特別講義の講師は中川さんでした。
中川さんはトライポットデザインの代表の方で、以前にトヨタのワークショップでお世話になった方でした。
ところでわたしは前、そのトヨタのWSでチーム「ちんまり」として優秀賞で表彰されました!(だいぶ遅い報告)2位ということです。

中川さんは主にUDについて取り組んでいらっしゃっていて、WSの際にもよく聞いていたのは「不都合な状況での不都合なユーザーへのデザイン」をする、ということでした。

多くのデザイナーは曖昧なターゲットを対象にデザインすることを強いられてきたそうです。そして都合の良い状況で、都合の良いターゲットに対して都合の良いデザインをしてきた、という話も聞きました。

現在、中川さんは「期待学」というものをやっていて、それというのは、
UNEXPECTED DESIGN(意外なデザイン)→期待をこえたデザイン 
ということだそうです。

デザイナーや普通の人でさえ、気づかない、潜在化されたデザインというものがあり、それに気づくようなひとをリードユーザーとする、ということでした。
というのも、目の見えない人などは感覚が研ぎすまされていて、車のドアの閉まる音で天井の高さがわかるそうです。
そんな風に、97%OKなら作るのではなく、3%の人はなんで異論を唱えたのか、ということを調べることで気付きが得られる、ということでした。

その講義の後はワークショップを体験しました。音を聞いてそれがどんなイメージか絵にしたり、針金で3Dで形状を作ったりしました。

それが絵に起こすと意外といいデザインになったりするそうです。

で、懇親会です。いつものことながら懇親会の方が面白いんですね!
前回、廣村さんに聞いたように、今回も私は中川さんに質問をしました。

デザインとは何か、中川さんにたずねると、中川さんは「意識」だと言いました。
私の中で、中川さんにとってデザインとは社会貢献のようなものだと思っていたので、そうたずねると、それも意識のうちだそうです。
いろんな人が、デザインじゃなくても社会と向き合っていて、その職業を通して社会を見ているそうです。

中川さんにとってそれがデザインなのだそうです。
最初、社会に出たとき、中川さんは医者の卵で、津田沼総合病院で研修生をしていたそうです。そこで、自分に向かないと悟り、デザインの道に入ったのだそうです。
私の母の友人でも、最初は看護士になったのに、建築士になった人がいました。
ちょっとイッセイミヤケのことを思い出しました。

そして、中川さんの話によく出てきたのが、東大生もデザインをする、という話でした。
彼らは頭も良くて、デザインも出来たら鬼に金棒すぎます。
さらに自分にしか出来ないことってなんだろうなんて考えちまいます。

廣村さんは最後に美しいものが勝つ、と言っていました。
きれいに仕上げる、というのも才能だ、と言っていました。

パーソナルアイデンティティーってなんだ!最近の私はそればっかり考えているわけです。

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